グロムとFZ6と

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エンジンがパワーアップする話

 本日二回目の更新です。

 

 みなさん、エンジンのパワーを上げるということにどういうイメージを持っていますか?マフラーを変える?圧縮比をあげる?それともターボをつける?

 

 エンジンの特性上、パワーの上げ方は3種類に分かれます。

 

 難しい話が続きます。しんどいって人はまとめにいきなり飛んでもらっても大丈夫です。そのために目次を練習しましたw

 

 

 パワーを上げるための要素

 エンジンは燃料を空気と混合し、燃焼室へ送り込み、爆発させることで出力を得ます。つまり、パワーを上げるための要素として、燃料の種類、燃料の量、熱効率が挙げられるわけです。

 

 

 とりあえず計算式のイメージとして

 

燃料の燃焼熱(燃料一定量あたり) × 燃料の量(爆発一秒あたり) × 熱効率 = 馬力

 

をイメージしていただくといいかもしれません。

 

 まとめではもっと簡単にしますw

 

 

燃料の燃焼熱

 これを変えるにはガソリンを他の燃料に変えるほかありません。通常は選択肢に入ってこないでしょうからパスします。

 

 

爆発1秒あたり燃料の量

 つまり爆発1回あたりの燃料 × 1秒あたりの爆発回数です。これが主にカスタムでは多いですから、重点的に書いていきます。

 

爆発1回あたりの燃料

 これは完全に燃やす必要があるという点から酸素の量によって燃料の量が制限されます。燃料を増やしても酸素が足りなければ燃焼せず、意味がありません。ですから、酸素を大量に供給する方向でカスタムします。

 

 例えば、ターボやスーパーチャージャーですね。ブースト圧が1だとすると燃焼室内には2気圧で酸素が供給されて、倍の燃料を完全燃焼させることができます。理想的には2倍の出力になりますね。

 

 有名なNOSもそうです。NO2を噴射し、高温下で窒素と酸素され、その分解された酸素を供給し、その分多くの燃料を噴射することで馬力を得ることになります。

 

 また、ボアアップもこの分類になるのではないでしょうか。排気量が上がれば燃焼室の体積は大きくなるので、たくさんの酸素を供給することができます。そしてその分多くのガソリンを噴射することで馬力を得られます。

 

 この系統のカスタムの特徴としては、全域でパワーアップし、回転数が低い状態でも馬力が上昇するために、いわゆるトルクが増えた感覚になることだと考えています。

 

 例外として、空気の量に対してガソリンの量が少ないときは、燃料を増やすだけでも馬力が大きくなることがあります。主に純正状態ではこの状態ですね。

 

 まとめると通常は、爆発1回あたりの燃料 = 排気量 × (1+ブースト圧) というイメージなります。いや、4000ccの燃料とか供給されませんよ?wイメージですw

 

1秒あたりの爆発回数

 これがもっとも人気のカスタムではないでしょうか。いわゆる高回転化です。マフラーの交換やエアフィルターの交換、スロットルボディの拡大などの人気のカスタムはだいたいこれになります。

 

 カスタムしていないエンジンは低回転の馬力を重視しているために、高回転まで回ると空気を吸えなくなったり、排気を出せなくなったりするために高回転ではきちんと燃焼できずにパワーがでません。

 

 しかし、これをカスタムすると高回転でも効率的に燃焼して、より多くの燃料を燃やした結果、馬力が上昇します。

 

 回転数を上げるほどにパワーが出て、気持ちのいいエンジンになりますし、音もレーシーな高い音になっていきます。いいね!

 

 デメリットが有るカスタムで、高回転で本来の馬力を出すようにすると、低回転の馬力が小さくなります。つまり、トルク感は失われます。仮に高回転しか使わないようなレースだとしても、あまりに低回転が犠牲になっているとコーナーでの立ち上がりで追い抜かれる羽目になります。

 

 回転数をあげればあげるほど馬力が出るわけではなく、高回転では部品の摩擦抵抗などの機械的なロスが増えるために、回転数が高いほどいいわけでもありませんし、エンジンの耐久性を失います。

 

 人気のカスタムで、私もよく行いますが、デメリットを理解した上で行ったほうがいいでしょうね…。

 

 

 なお、2ストロークエンジンの馬力が高いのは、クランクシャフト1回転で1回の爆発をするからです。4ストロークエンジンはクランクシャフト2回転で1回の爆発をしているので、倍の爆発をしているんですね。

 

 馬力が倍にならないのは、構造上燃焼効率が悪いからです。だから、排気ガスが汚いんですね…。

 

 ちなみにロータリーエンジンはクランクシャフト1回転につき3回爆発します!最強!!

 

 

熱効率

 最後に熱効率ですが、これはあんまりカスタムする人いないんじゃないかな…。一番身近なのはマフラーのサーモバンテージかな…?排気温度をあげて燃焼を効率的にするそうです。

 

 ほかにはピストンのハイコンプ化とか劣化したプラグの交換とかが挙げられますけど、ここを大幅に上げることは難しいので、カスタムの対象にはなりづらそうですね。

 

 それにかけたお金に対して全然パワー上がらないと思うので、おすすめもしません。

 

 これも全域でパワーアップするため、トルク感も増すと考えられますが、そんなにめちゃくちゃは変わらないはずです…。

 

 

まとめ

 ガソリンを吹け!!これが真理だと思ってます。エンジンの種類が根本的に違わなければ、燃費が悪いほど基本的に馬力が大きいですw

 

 これだとちょっと説明不足なのでちゃんと説明しますね。今まで細々した説明をまとめて、必要なところを抜き出すと

 

馬力 = 排気量 × (1+ブースト圧) × 最高出力回転数

 

 これだけです。厳密には上に書いたようなめんどくさい理屈があるので、この通りにはなりませんし、馬力って最高馬力が高いだけでは別に速くならないのでどのくらいこの式に意味があるのかっていうのは…。

 

 でもカスタムをして、シャーシダイナモ上での最大馬力を目指すなら、ブースト圧と最高出力回転数を上げる!これが大まかな方針になるのではないでしょうか。逆にこれ以上はたぶん費用に対して効果が見合いません。覚悟してくださいw沼へようこそ!

 

 馬力っていうのはもともと燃料の燃焼熱です。つまり、いっぱい燃やしたらいっぱい馬力が出ます。いっぱい燃やすための環境を整えてあげることが馬力を上げるカスタムになるわけです。そして燃費が悪くなりますw