グロムとFZ6と

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チェーンの構造から考えるチェーンオイルの意義の話

 みなさん、こんばんは!

 

 今回はチェーンの構造のお話です。まあ、結構知ってるって人多いかもしれないですね。チェーン交換を自分でやろうと思ったら必須の知識ですし。

 

 さて、そろそろこいついっつもチェーンの記事書いてんな…wって思われてる頃でしょうw

 

 チェーンの話が多いのは、私がチェーンを交換したくていろいろ考えてるからですw

 

 

チェーンの構造図解

 

  で、チェーンの構造を話すためには図が必須ですねw文字で書かれても意味不明ですw

 

 でも権利関係がよくわかんなくて…図の作成者に不快な思いをさせたくないのでどうしようかと考えてました…。

 

 考えた結果、自分で書きましたw(お前が作成者になるんだよ!

 

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チェーン構造図解

 

 あの2/8~3/8インチの太さの一コマあたりにこれだけの部品が使われています。

 

 では上から解説していきましょう。

 

 外プレートに開けられた穴にピンが圧入されています。

 

 そのピンにO-リング(シール)を通した後、内プレートとブッシュを通します。

 

 この際、ピンにはグリスが塗られており、外プレートと内プレートの間のO-リングによって、グリスはピンとブッシュの間に保持されます。

 

 ブッシュはローラーの中を通ります。

 

 そして、スプロケットとチェーンが当たる際に、ローラーが回転して衝撃を逃がすことによってブッシュを守ります。

 

 そしてブッシュはもう一方の内プレートに接続、固定されます。

 

 ブッシュの中を通っているピンは、O-リングを通った後にもう一方の外プレートの穴に圧入されます。

 

 これを延々とつないだものがチェーンです。

 

 

チェーンの伸びとチェーンメンテナンスの意義

 ここまでで構造的な話をしたので、チェーンはなぜ伸びるのかということを話せます。

 

 金属部分が伸びることはありません。

 

 ピンとブッシュの間が削れることによって伸びます。

 

 例えば、全てのピンとブッシュ間が0.1mm削れると、110Lでは1.1cm伸びることになります。

 

 これによって伸びていくんですねー。そして交換になります。

 

 ここで、チェーンをメンテナンスする意味が揺らいだことに気づいたでしょうか?

 

 チェーンメンテナンスの意義は、性能の維持と寿命の延長だと考える人が多いと思います。

 

 ところが、シールチェーンでは一番潤滑が必要なピンとブッシュ間にはグリスが封入されています。

 

 つまり、本当に潤滑が必要なところには、オイルを浸透させることができないし、その必要もありません。つまり、チェーンオイルの潤滑は性能にも寿命にも大きな影響を与えないことが推測できます。

 

 これがこれから書いていくチェーンメンテナンス不要論につながってきます。

 

 

チェーンのメンテナンス不要論

 チェーンのメンテナンスの記事を書いておいて、あれなんですが…w

 

 チェーンのメンテナンスは不要とする考え方もあります。

 

 MOTO-ACE-BLOGのAndyさんがこちらで詳しく解説されています。

 

チェーン給油&メンテってホントに必要?メーカーは教えない秘密の知識 | MOTO-ACE-BLOG

 

 この中でAndyさんは、チェーンメンテナンスの意義について、

 

「チェーンにサビを発生させない」

 

「グリスが拾う異物でO-リングを傷つけない」

 

としています。そして、

 

「チェーンルブを使う目的は、「潤滑」ではなく、「サビ止め」だったんですね~!」

 

とされた上で、メッキ加工されたチェーンについて、

 

シールを攻撃するサビが発生しないので、ルブを使用する必要がありません。

 

「ルブが不要なので当然!ゴミや異物を拾ってくることもありません。つまり何もする必要がないんです。」

 

と結論されています。

 

 どうでしょうか。私は非常に納得できる意見だと思いました。

 

 ただ、メッキが剥がれていないこと、また、全ての部品がメッキされたチェーンであることが前提になっているので、その点は注意が必要です。

 

 意外とピンはメッキされていないものがあったりします。そうすると、当然錆びますまらねw

 

 私も実際に、グロムの方のチェーンGV420MRUで実験してみていますが、半年程度経過した現在でも、特に異常は見られません。

 

 雨の日にローラーが錆びますが、走行すればなくなるために問題ではないと考えています。

 

 

チェーンの表示とカスタム

 例えばRKさんだと、GV530X-XW 110Lとかありますよね。

 

アールケー(RK) GV530X-XW 110L チェーン

アールケー(RK) GV530X-XW 110L チェーン

 

 

 GVはこのモデルの名前みたいな感じです。

 

 そして、530とはピンの中心間の長さ(ピッチ)が5/8インチで、チェーンの内プレートの間の幅が3.0/8インチという意味です。

 

 X-XWは使われてるシールの名前ですね。まあ…すごくいいシールですね…w

 

 110Lというのはリンク数と呼ばれ、使われているピンの数であり、チェーンのつなぎ目の数です。

 

 気をつけなくてはいけないのは、530の数字とリンク数です。

 

 通常、530の数字は変更できません。車種によって決まってますから、その数字を調べて買うようにしましょう。

 

 ただし、前後スプロケットを520用に交換するなどすれば、520に変更することはできます。(ダウンコンバート)

 

 この際、チェーンとスプロケットが一列に並ばないといけないので、スプロケットの幅を調整し、チェーンラインを出す必要があります。

 

 サンスターさんが調整されたスプロケットを出してますから、私はそれを使ってダウンコンバートを企んでいますw

 

 ダウンコンバートを行うことで、バネ下重量が軽減され、倒し込みが軽くなるとされています。しかし、言い換えれば、直進安定性が悪くなるということなので、必要な方のみにおすすめします。

 

 次にリンク数です。これを変更すると、前輪と後輪の間の距離(ホイールベース)を変更できます。しかし、通常は大きな変更はできません。

 

 リンク数が足りず、装着できない可能性があるので、基本的に純正と同じリンク数を選択することを強く推奨します。

 

 なお、スイングアームを変更するなど、一部の特殊なカスタムではホイールベースの大きさが変化するために、チェーンのリンク数を変更する必要があります。

 

 リンク数を減らして、ホイールベースが短くなると、倒し込みが軽くなりますが、直進安定性が悪化します。ただ、一般の人はチェーンを高頻度で交換しないので、結局伸びて、あんまり変わらないんじゃないかな…。