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バイクのポジション灯は車幅灯なのかって話

 みなさん、こんばんは。

 

 ちょっと前に灯火についていろいろ小難しい話をしたんですが、もう少し難しい話をしますw

 

 当たり前のようにバイクの車幅灯って言いますが、車幅灯とは一体何なんでしょうか。いわゆる車幅灯は法律上の車幅灯に該当するのでしょうか。

 

 何が言いたいのかは、おそらく一部の人達にしかわからないと思いますwもしかしたら、ポジション球を緑とか青とかにするのは違法ではないかもしれないってお話ですね。

 

車幅灯とは

  道路車両運送法の保安基準の別添58は以下のように車幅灯を定義しています。

 

別添58 車幅灯の技術基準

2. 用語の定義
2.1. 「車幅灯」とは、保安基準第34 条に規定された灯火器をいい、前方から見たときに車両とその幅を示すために自動車に備えられるものをいう。

 

 つまり、前方からその車両の幅を示す目的でついている灯火類ってことですね。

 

 また、この保安基準の条文によってバイクは車幅灯を備えないことが可能になります。

 

第三十四条 自動車(二輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車、最高速度二十キロメートル毎時未満の軽自動車並びに小型特殊自動車(長さ四・七メートル以下、幅一・七メートル以下、高さ二・〇メートル以下、かつ、最高速度十五キロメートル毎時以下の小型特殊自動車に限る。以下第三十六条第一項、第三十七条第一項、第三十九条第一項、第四十条第一項及び第四十四条第二項第四号において同じ。)を除く。)の前面の両側には、車幅灯を備えなければならない。ただし、幅〇・八メートル以下の自動車にあつては、当該自動車に備えるすれ違い用前照灯の照明部の最外縁が自動車の最外側から四百ミリメートル以内となるように取り付けられている場合には、その側の車幅灯を備えないことができる。

 

 で、一部の人が言っているのは、その人的にはポジション灯は車幅を示しているつもりはないから、ポジション灯は車幅灯ではないっていう主張ですね。

 

 バイクには車幅灯がいりませんから、この主張が正しいとしても、灯火類の規定的には何ら問題ないことになります。

 

 

ではポジション灯は他にどんな解釈ができるのか

 その他灯火類ですね。これも道路車両運送法の保安基準の条文です。

 

第四十二条 自動車には、第三十二条から前条までの灯火装置若しくは反射器又は指示装置と類似する等により他の交通の妨げとなるおそれのあるものとして告示で定める灯火又は反射器を備えてはならない。

 

 前照灯、前部霧灯、低速走行時側方灯、車幅灯、前部上端灯、昼間走行灯、前部反射器、側方灯、側方反射器、尾灯、後部霧灯、駐車灯、後部上端灯、後部反射器、大型後部反射器、再帰反射材、制動灯、補助制動灯、後退灯、方向指示器、補助方向指示器、非常点滅表示灯。緊急制動表示灯、後面衝突警告表示灯に間違えてしまうな紛らわしい灯火や反射器であって、それが交通に差し支える状態でなければ、その他灯火類として、灯火や反射機を備えてもいいよってことです。

 

 そして、だめなものは告示で定められていると書いてあります。

 

 つまり、告示でだめだとしたもの以外はその他灯火類として取り付けができるってことですね。

 

 ではどんなものがだめなのか。あとでまとめるので読まなくていいですよw

 

第140 条 保安基準第42 条の告示で定める基準は、次の各項に掲げる基準とする。
2 自動車には、次に掲げる灯火を除き、後方を照射し若しくは後方に表示する灯光の色が橙色である灯火で照明部の上縁が地上2.5m 以下のもの又は灯光の色が赤色である灯火を備えてはならない。
一 側方灯
一の二 尾灯
一の三 後部霧灯
一の四 駐車灯
一の五 後部上側端灯
二 制動灯
二の二 補助制動灯
三 方向指示器
四 補助方向指示器
四の二 非常点滅表示灯
四の三 緊急制動表示灯
四の四 後面衝突警告表示灯
緊急自動車の警光灯
六 火薬類又は放射性物質等を積載していることを表示するための灯火
七 旅客自動車運送事業用自動車の地上2.5m を超える高さの位置に備える後方に表示するための灯火(第一号の五に掲げる灯火を除く。)
八 一般乗合旅客自動車運送事業用自動車の終車灯
九 一般乗用旅客自動車運送事業用自動車の空車灯及び料金灯
十 旅客自動車運送事業用自動車の非常灯
十一 旅客自動車運送事業用乗合自動車の車椅子昇降用ステップリフトに備える赤色の灯火であって運転者席で点灯できないものその他の走行中に使用しない灯火
十二 労働安全衛生法施行令第1条第1項第8号に規定する移動式クレーンに備える巻過防止装置、過負荷防止装置又は過負荷防止装置以外の過負荷を防止するための装置と連動する灯火
十三 緊急自動車及び道路維持作業用自動車に備える他の交通に作業中であることを表示する電光表示器
十四 運転者異常時対応システムが当該自動車を制御していることを他の交通に対して表示するための電光表示器
十五 イモビライザ及び盗難発生警報装置の設定状態を灯火により通知する装置であって車室外に備えるもの(光度が0.5cd 超えないものであって、かつ、見かけの表面の表面積が20 ㎠以下のものに限る。)


3 自動車には、次に掲げる灯火を除き、後方を照射し又は後方に表示する灯光の色が白色である灯火を備えてはならない。
一 低速走行時側方照射灯
二 番号灯
三 後退灯
四 室内照明灯
五 一般乗合旅客自動車運送事業用自動車の方向幕灯及び行先等を連続表示する電光表示器
六 一般乗用旅客自動車運送事業用自動車の社名表示灯
七 その構造が次のいずれかに該当する作業灯その他の走行中に使用しない灯火
イ 運転者席で点灯できない灯火
ロ 運転者席において点灯状態を確認できる装置を備えたもの(走行装置に動力を伝達することができる状態においてのみ点灯できる構造を有するものを除く。)
八 運転者異常時対応システムが当該自動車を制御していることを他の交通に対して表示するための電光表示器
九 イモビライザ及び盗難発生警報装置の設定状態を灯火により通知する装置であって車室外に備えるもの(光度が0.5cd 超えないものであって、かつ、見かけの表面の表面積が20 ㎠以下のものに限る。)


4 自動車(一般乗合旅客自動車運送事業用自動車を除く。)の前面ガラスの上方には、灯光の色が青紫色である灯火を備えてはならない。


5 自動車の前面ガラスの上方には、速度表示装置の速度表示灯と紛らわしい灯火を備えてはならない。


6 自動車には、次に掲げる灯火を除き、点滅する灯火または光度が増減する灯火(色度が変化することにより視感度が変化する灯火を含む。)を備えてはならない。
一 曲線道路用配光可変型前照灯
二 配光可変型前照灯
二の二 昼間走行灯
三 側方灯
四 方向指示器
五 補助方向指示器
非常点滅表示灯
七 緊急制動表示灯
七の二 後面衝突警告表示灯
緊急自動車の警光灯
九 道路維持作業用自動車の灯火
十 自主防犯活動用自動車の青色防犯灯
十一 一般乗合旅客自動車運送事業用自動車の行先等を連続表示する電光表示器
十二 非常灯(旅客自動車運送事業用自動車に備えるもの又は室内照明灯と兼用するものに限る。)
十三 労働安全衛生法施行令第1条第1項第8号に規定する移動式クレーンに備える巻過防止装置、過負荷防止装置又は過負荷防止装置以外の過負荷を防止するための装置と連動する灯火
十四 点滅又は光度の増減を手動によってのみ行うことができる構造を有する灯火
十五 指定自動車等に備えられたものと同一の構造を有し、かつ、同一の位置に備えられた可変光度制御機能を有する灯火及び光度可変型前部霧灯
十六 法第75 条の2第1項の規定に基づき指定を受けた灯火又はこれに準ずる性能を有する可変光度制御機能を有する灯火及び光度可変型前部霧灯
十七 法第75 条の3第1項の規定に基づき指定を受けた可変光度制御機能を有する灯火及び光度可変型前部霧灯又はこれに準ずる性能を有する可変光度制御機能を有する灯火及び光度可変型前部霧灯
十八 路線を定めて定期に運行する一般乗合旅客自動車運送事業用自動車及び一般乗用旅客自動車運送事業用自動車に備える旅客が乗降中であることを後方に表示する電光表示器
十九 緊急自動車及び道路維持作業用自動車に備える他の交通に作業中であることを表示する電光表示器
二十 運転者異常時対応システムが当該自動車を制御していることを他の交通に対して表示するための電光表示器
二十一 制動灯及び補助制動灯(運転者異常時対応システムが当該自動車の制動装置を操作している場合に限る。)
二十二 イモビライザ及び盗難発生警報装置の設定状態を灯火により通知する装置であって車室外に備えるもの(光度が0.5cd 超えないものであって、かつ、見かけの表面の表面積が20 ㎠以下のものに限る。)


7 自動車(緊急自動車を除く。)には、次に掲げる灯火と連動して作動する灯火(保安基準第32 条から第41 条の5までに規定するものを除く。)及び次に掲げる灯火以外の灯火であって、自動車が右左折、進路の変更、加速、減速、停止その他の動作を行うとする旨を他の交通に対し指示することを目的としたものを備えてはならない。
一 制動灯
二 補助制動灯
三 後退灯
四 方向指示器
五 補助方向指示器
六 緊急制動表示灯
七 後面衝突警告表示灯
八 速度表示装置の速度表示灯
九 運転者異常時対応システムが当該自動車を制御していることを他の交通に対して表示するための電光表示器


8 自動車には、反射光の色が赤色である反射器であって前方に表示するもの又は反射光の色が白色である反射器であって後方に表示するものを備えてはならない。ただし、指定自動車等に備えられた前部赤色反射物と同一の構造を有し、かつ、同一の位置に備えられた反射物及び専ら乗用の用に供する乗車定員10 人以上の自動車に備えられた後部白色反射物であって協定規則第110 号の技術的な要件(同規則第4 改訂版補足改訂版の規則18.1.8.1.から18.1.8.3.までに限る。)に掲げるものにあっては、この限りでない。


9 自動車に備える灯火の直射光又は反射光は、その自動車及び他の自動車の運転操作を妨げるものであってはならない。


10 自動車には、保安基準第32 条から第41 条の5までに規定する灯火の性能を損なうおそれのある灯火及び反射器を備えてはならない。


11 第2項第一号の二から第二号の二まで及び第七号に掲げる灯火(同項第一号の四に掲げる灯火にあっては自動車の後面に備えるものに限る。)は、前方を照射し、又は前方に表示するものであってはならない。この場合において、指定自動車等に備えられた側
面に回り込む赤色の照明部を有する後方に表示する灯火と同一の構造を有し、かつ、同一の位置に備えられたものは、この基準に適合するものとする。


12 自動車に備える灯火は、前照灯、前部霧灯、側方照射灯、低速走行時側方照射灯、昼間走行灯、側方灯、番号灯、後部霧灯(第6項第十五号に掲げるものに限る。)、後面に備える駐車灯、制動灯、後退灯、方向指示器、補助方向指示器、非常点滅表示灯、緊
急制動表示灯、後面衝突警告表示灯、速度表示装置の速度表示灯、室内照明灯、緊急自動車の警光灯、道路維持作業用自動車の灯火、自主防犯活動用自動車の青色防犯灯、火薬類又は放射性物質等を積載していることを表示するための灯火、旅客自動車運送事業用自動車の非常灯、緊急自動車及び道路維持作業用自動車に備える他の交通に作業中であることを表示する電光表示器、運転者異常時対応システムが当該自動車を制御していることを他の交通に対して表示するための電光表示器及び走行中に使用しない灯火(前面に備える駐車灯を除く。)を除き、光度が300cd 以下のものでなければならない。


13 火薬類又は放射性物質等を積載していることを表示するための灯火は、他の灯火と兼用のものであってはならない。

 

 膨大で草

 

 一般的な車やバイクを想定したときにだめなやつをまとめます。トラックとかは橙色を後方に照射できる可能性もありますが、そういうこと考えると、条文全部書くことになるので…。

 

1. 赤色

 前方に向かって反射禁止(8)

 取り付け一切禁止(2)

 

2. 橙色

 後方に向かって照射、表示禁止(2)

 

3. 白色

 後方に向かって反射(8)、照射、表示(3)禁止

 

4.青紫色

 前面ガラス上方への取り付け禁止(4)

 

5.緑色

 速度表示灯と紛らわしい取り付け禁止(5)

 

 点滅や光度変化のある灯火(6)、自動車が動作を行うことを他の交通に指示することを目的とした灯火(7)、眩しすぎる灯火(9)、保安基準上設置が必要な灯火類の点灯を妨げる灯火の設置(10)も禁止です。

 

 そして、光度は300cd以下でなくてはならない(12)です。

 

 反射の赤色っていうのはリフレクターに赤色をつけて、対向車の白色前照灯を赤色に反射するのがだめってことです。

 

 逆に後方は無色のリフレクターをつけると、後続車の白色前照灯を後ろに反射してしまうので、取り付けができません。

 

 それで、こうやって考えると、バイクのポジション灯ってその他灯火類の基準も満たせそうなんですよね。

 

 別に車幅灯としてつけていませんっていうことが通れば、ほとんどはそのままその他灯火類として基準を満たせます。

 

 この場合、取り付けてはいけない色って赤色のみなので、ポジション灯の色の選択肢は大きく広がることになります。

 

 車幅灯では白色と橙色しか認められませんからね。

 

 

ポジション灯をその他灯火類とすることは可能か

 かなり難しいですw

 

 ポジション灯が車幅を知らせることを目的として備えられているかということが争点となるわけです。

 

 「備え付けられる」という表現には「備え付ける」という動作があり、そこには「備え付けた」人の存在があります。

 

 つまり、備え付けた人の意図によって車幅灯かどうかが変わることになります。

 

 ポジション灯って誰が備え付けたんでしょうか。

 

 メーカーなのか、それともバルブを交換した人でしょうか。

 

 メーカーはポジション灯の設計から取り付けまでを担っていますが、バルブの交換なんて「備え付け」のほんの一部に過ぎません。

 

 こうなると、やはり備え付けたのはメーカーであると言わざるを得ないのではないでしょうか。

 

 メーカーは確実に車幅灯としての想定をしてポジション灯を取り付けていることを考えると、「バルブを取り付けたときに車幅灯として取り付けていない」なんて主張はちょっと通りそうにないですね…。

 

 ただ、ポジション灯を緑色にする手段がなくもないです。

 

 ポジション灯周辺を社外品に変えてしまうことです。

 

 社外品で車幅灯としての用途を想定していないものであれば、たとえ同じ位置にあっても車幅灯ではないです。

 

 外観から車幅灯なのか、その他灯火類なのかわからない以上、設計者の意図が大事なので…。その意図がわからなければ問題ないですね。

 

 ヘッドライト周りを自分で作ってしまうのもいいかもしれません。

 

 純正品を魔改造して社外品っていうのも有効かもしれませんね。

 

 ただ、純正品を改造しても車幅灯は車幅灯のままで、整備不良として扱われる可能性もあるので、「純正品を改造したから、これはもはやメーカーが備え付けたとは言えない。」とかそういう主張はやめておきましょう。

 

 あくまで純正品でなく、そもそも車幅灯として設計されていないことが大切になります。

 

 まあ、あとはポジションの位置にこだわらなければ、保安基準に適合するように適当に灯火を追加すればいいですw

 

 それは正当な意味でその他灯火類ですからね。

 

 こんなことで整備不良になったり、車検通らなかったりしてもめんどくさいので、ちゃんとやり方は考えていきましょうね。

 

 一番楽なのは…純正無改造です!w